自然科学総合実験は,(1)高等学校までの教育と大学教育を滑らかにつなぐこと,(2)「複雑な自然現象を論理的に考え,本質を見抜く力を養う」過程で,自然に,そして,実験に親しむこと,(3)自然を科学的(論理的)な文章で記述する能力を養うことができるように設計されています。さらに,「新しいテーマには積極的に取り組むこと」という項目を加えました。現代の社会は非常な速さで,常に新しい現象,新しい医療,新しい薬品,新しい製品,新しい作物や栽培方法等を求めています。
そこで実験テーマは,21世紀の社会的課題である, <生命>, <地球・環境>, <エネルギー>,東北大学が伝統的に取組み,成果を挙げてきた材料科学分野に対応する <物質>, さらにその発展として,自然科学の手法が社会的な現象の解明にも有効であることを示唆する <科学と文化>を加え,5つの大きなテーマを設定しました。各実験課題は,下図に示すように,1つのテーマをいくつかの分野の視点から捉え,多次元的に理解できるように用意しました。そのため,物理,化学,生物,地学の科目が融合した理科実験となっています。また,自分の得た知識を他の人々に伝える能力を養うために,レポートの作成およびその指導を行っています。