数学で対数について勉強したときには, はeを底にした自然対数を示し, 底が10の場合には と書くと教わってきたはずです. これは,確かにその通りで,数学や理論物理学の世界ではただ と表記すれば 自然対数を示します.
しかし,実験科学や工学をはじめとした応用科学の世界では は底が10の対数を示します. これを常用対数といいます.一方,自然対数の方は と表記します.
なぜこんなややこしいことになっているのかというと, 自然対数の方が式を計算していくには便利であるのに対して, 実際の値を求める(あるいは見積もる)ときには常用対数の方が ずっと見通しがいいからだということが言えます. それぞれの分野でよく使う方を対数の普通の表記 として用いているということです.