(10)数学とその論理性
インターネットのセキュリティ技術としてしばしば用いられる現代の暗号は「公開鍵暗号」と呼ばれるものであり、その暗号を最初に実現したのがRSA暗号である。その原理は、割算のあまりという非常に初歩的な理論を使う。この理論をもちいて、どのように暗号を作り、また解読するか、ということを体験する。厳密には、“実験”でなく“作業”となる。
(11)球面三角形の幾何学
球面幾何学は、平面の幾何学とは大きく異なる。例えば、半径1の球面上の三角形の内角の和は、180度より常に大きくなる。これは、通常知られていることであるが、さらに、内角の和と180度との差は、その三角形の面積と一致する。この定理を、ガウス・ボンネの定理と呼ぶ。この定理を、実際に球面上に3角形を描いて、切り出し、角度と面積を測定することにより、実証する。このことから、例えば、正確な地図の作成が不可能なことがわかる。