「地球・環境」には、3課題(3回)を設定した。
(1)温暖な地球と温室効果
太陽から降り注ぐ太陽光が、大気をすり抜け、地表をあたため、そこから放射される赤外線が大気中の温暖化ガスに吸収され、地球が暖まるしくみを理解する。この実験では、温室効果ガスが大気中に増えるとなぜ温暖化が促進するのか、乾燥した空気、二酸化炭素、フロンを例にして、これらの気体が地球表面から放射される赤外線をどの程度吸収し、気体温度が上昇するのかを比較実験することで地球が温暖な惑星である理由を理解する。
(2)大気中の放射能
空気中にある天然の放射性核種(ラドンから生ずる核種)をろ紙上に集め、その試料から放出される放射線(アルファ線やベータ線)を「霧箱」を用いて観察する。さらに、GM(ガイガーミュラー)計数管を用いて試料の放射線強度を測定し、その時間変化より放射性核種の崩壊を定性的に理解する。これらの実験をとおして天然放射能の理解を深める。また、崩壊により物質が他の物質へと変遷していく様子を知ることにより、自然科学的な物質観を養う。
(3)地球大気の大循環
地球大気の大規模な運動を、回転水槽によって再現し、日本の上空にある強い偏西風(ジェット気流)の蛇行に関連した気象の変化を理解する実験を行う。天気は西から変化すること、日本に四季があること、さらに、昨年の冬の異常な大雪、今年の暖冬をジェット気流の蛇行に対応する「傾圧不安定波動」の視点から理解する。