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予習をしよう

実験の予習は大事


   どんな授業でも予習をしておくことは学習効果を高めるのに非常に役に立ちますが,実験の場合には特に予習の重要性が高く,予習をしたかしないかで理解度が大きく異なります.

   実験の授業では,理解した上で実際に手を動かすことになります.わかってなくても手が動けばいいわけではありません.何をやっているのか理解しながら手を動かすことが“実験”であって,いわれた通り,書いてある通りに手を動かすだけでは実験とは呼べません.何をしているのか理解していなければ,うまく操作が進まないだけではなく時には危険なことさえあります.

   もちろん,授業の最初にその日行う実験の内容についての解説がありますが,限られた時間で十分な説明をすることはなかなか困難です.やはり,教科書に一通りは目を通してきていることを前提に説明をすることになります.



どんな予習をすればいいのか


   まず,教科書の「はじめに」「実験の目的」「実験の原理」をよく読みます.実験の原理については完全には理解できないかもしれません.それはそれでいいのです.どこまでわかって,どこがわからないかをはっきりさせておくだけで,授業の説明がとても理解しやすくなりますし,質問もしやすくなります.できれば,実験の目的と原理についてはノートにまとめてみると,わからない部分がよりはっきりします.

   つぎに「実験方法」です.ここでは,実験の原理などとも照らし合わせて,この実験(操作)をしたら,どんなデータが得られるか(どんな現象が起こるか,何が観察されるか)を考えてみることが重要です.課題全体の中での個々の実験操作の位置づけを考えてみることも重要です.そのためには,手順をノートにメモしながら読むといいでしょう.見たこともない装置が出てきたりして完全に理解はできないかもしれませんが,どんなことをどんな順番でやるのかの見通しがつけばそれでいいのです.実際には,授業の中では「今日はここは省略します」とか「この部分はちょっと変更します」ということがありますが,そんなときも全体像と一応の見通しがついていると対応が楽になります.

   こうした予習をすると,レポートの前半部分(目的,原理,実験方法)についてはもう骨格が出来上がっていることになります.もちろん,実際の実験を行って修正する必要はありますが,レポート作成がとても楽になることは間違いありません.

   とはいえ,毎週ここまで予習をするのは簡単なことではありません.どうしてもそこまで時間が取れないという日もあるでしょう.そんな場合でも,教科書にざっと目を通しておくことは大事です.実験室に来て初めて教科書を開いたということだけはしないようにしましょう.